カテゴリー: 活動報告

キャンパス東京&旭川2023年3月 開催報告キャンパス東京&旭川2023年3月 開催報告


今年は例年よりも早い桜前線の北上で道内各地で桜が見頃を迎えています。同時に寒さも少し戻り、花冷えがしています。少しでも長く桜を愛でたいですね♪
さて、去る3月25日(土)にキャンパス東京&旭川を開催しました。
テーマは「『経験、想いを知ること』から自分らしく生きるを考える」
講師に悪性非リンパ腫のサバイバーであり、グループ「Japan for Livestrong」の共同設立者のビンジー・ゴンザルボ(Binzee Gonzalvo)さんをお迎えしキートークをして頂きました。

アイスブレイクのお題は「あなたが好きな米国の食べものは?」で、「特大ステーキ」「WBC(World Burger Champion)」と当時の野球の盛り上がりにも絡めたグループ名も出ました。

ビンジーさんは病気のご経験から現在日本のいくつかの大学で医療を学ぶ学生に医学英語・ヘルスコミュニケーションなどを教えていらっしゃるのと共に「Livestrong財団」でも活動されています。
キートークでは異国の地で悪性非リンパ腫に罹患し、病気に対する不安、医療、保険制度の違いなど考えることがとても多く、精神的にもダメージを受けたとお話がありました。それに加えて治療を本国でするか、日本でするかの葛藤は更に大変な負担であったようです。逆に我々が外国で罹患し、治療をすることを考えるとビンジーさんの不安や葛藤は計り知れないと感じました。特に日本と米国の健康保険制度の違いはよく耳にすることですが、加入している保険によって受けられる治療も変わってくる、治療費が桁違いに高いことも衝撃でした。ビンジーさんは罹患、寛解、再発、寛解と2度悪性非リンパ腫を経験され、長くがんとつき合いながら自分の人生を前を向いて歩んでいくことをお話されていました。そんな中で『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』という本に出会い、彼の前向きな姿に共感されたこと、「がんサバイバーシップ」という考えに出会えたこと、今の活動「Livestrong」についてもお話くださいました。「Livestrong」のマニフェストには「Knowledge is power. (知識は力)、Unity is strength. (団結は力)、Attitude is everything.(生きる姿勢が全て)」とあるということです。治療中には主治医がビンジーさんの「自分らしく生きる」ことに理解・協力してくれたこと、医師・看護師・自分はチームで治療をしている、「がんサバイバーシップ」を大切にし、がんへの偏見や差別をなくしていきたいというのも印象的でした。また、治療中にみかんを食べたら「なんて美味しいんだ!」ととても平凡なことだけど、そのシンプルなことにとても感動して涙が出たというお話もありました。病気は先行き不安なことがあるけれど「Present(今) is Present(プレゼント・ギフト).」今を大切に、今を楽しんで生きていくという「生きること」への想いも熱く語って下さいました。
参加者さんからは「感謝の気持ち、 ビンちゃんの想いや生き方を参考に、僕も前向きに今出来ること、みんなのために出来ることを頑張りたいと思います!」「知識や情報をたくさん取られ、コンロトールできることはコントロールをすること、ご自身も積極的に病気に向き合われと前向きな姿勢が素晴らしい」「 You are very very powerful, passion, and Gambaru person for survivors. I think it was very difficult to give us a talk in Japanese and prepare a presentation. But, I really appreciate for sharing so much with us.」とこの日は全て日本語でお話して下さったことに改めて拍手をお送りしたいと思います!CAN net設立にはLivestrongさんも参考にさせて頂いたので今回のキートークはとても感慨深いものでした。異国の地での病気治療やサバイバーシップについて考えられる良い機会になりました。
講師のビンジー・ゴンザルボ(Binzee Gonzalvo)さん、ご参加の皆さん、多くの学びや気づきを下さりありがとうございました!

4月のキャンパス東京&旭川はお休みです。5月のお知らせは決まり次第こちらでお知らせ致します♪

キャンパス札幌&帯広2023年3月 開催報告キャンパス札幌&帯広2023年3月 開催報告


新年度を迎え入学、進級、クラス替えなど学校では大きな環境の変化のある季節ですね。生徒さんも色んな変化に戸惑う時季かもしれませんね。
さて、去る3月8日(水)にキャンパス札幌&帯広を開催しました。
テーマは「不登校について知ることで子ども達の学ぶを考える」
教授は不登校支援のボランティアをしているさくましほこさんでした。

アイスブレイクのお題は「あなたの理想の先生は?」で盛り上がり、ついたグループ名は「百面相」「アキレス腱」と思い出に残るエピソードが出ていました。

皆さんの不登校児童のイメージはどういうものですか?
不登校とは「年間30日間以上登校できない状態」と定義されていて、文科省調べでは約10万人が該当し、日本財団調べでは遅刻・早退、30日間未満の欠席などしながら、だましだまし登校している不登校傾向にある児童が33万人いるとされています。この不登校児童生徒は今から9年前まではほぼ横ばい、その後右肩上がりに増えています。なぜでしょうか?9年前はゆとり教育が終わった時期に当たり、それも一因と推察できます。
では、教師側から見た不登校になった理由として「無気力、不安、いじめ以外の友人関係に問題、親子間の問題、生活リズムの乱れ(文科省調べ)」が上げられています。一方、不登校児童側からの理由(日本財団調べ)として「勉強が分からない、朝起きられない、疲れる、夜眠れない(ただし、スマホは親に預けている子が多い)」などが上げられ、授業がよく分からないことが強いストレスの一因というのが読み取れます。実際の児童の声は「勉強」に関することのようですね。
キートークの中では教室には通えないけど別室(保健室・図書室)で過ごすことがしにくい学校内環境がある。コロナ禍の影響もあるのか校内で自由に時間を過ごすこと(他教室の生徒との交流)が難しい。図書室・運動場など使用時間が学年・クラス別に時間割化しているところもあるということでした。
児童からの声の中には「不登校になる前に教室以外の休める・相談できる場所があったら行きたかった」という声もあるそうです。そして、全く友達がいないわけでもなく、リアルの友達、ネット上の友達がいて、それぞれのつき合い方もあるそうです。
そして、不登校児童生徒への支援のあり方も「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではないと文科省も明記しています。
学校に行くことで得られる利益、行かないことで受ける不利益とは何か?ということについてのお話もあり、「5教科以外の学問(保険・体育・家庭科など)についても必然的に学ぶ場所や機会が得られること。ネットからの情報(多くは自身の興味のあるもの)だけではなく、興味のない情報(時事問題、1次情報など)にも触れる機会があること。チームで何かを達成する機会があること。」などがあげられました。
学びも多様化している現代では通信制、定時制、全日制の高校もあります。昭和、平成、令和と時代背景が違う私たちも本当に学校に通わなければいけないの?と考える良い機会になりました。「どの道も正解だよ」と伝えられる大人が社会にたくさんいたら良いなぁというお話もでました。
参加者さんからは「安全な居場所作りと安全な大人との関りが必要だなと思いました。自分も安全な大人になりたいなと思いました」「不登校がどんどん増えているということは、欠席には至らなくてもつまずく子供たちも多いのだろう」「家庭内でエネルギーを使い果たす子どもも居ることがわかりました」という意見がありました。
子を持つ親や学校関係者だけではなく、子をとりまく社会の一人として不登校について考えられる良い機会になりました。
教授のさくましほこさん、ご参加の皆さん、多くの学びや気づきを下さりありがとうございました!

4月のキャンパス札幌&帯広はお休みです。5月のお知らせは決まり次第こちらでお知らせ致します♪

キャンパス東京&旭川2月 開催報告キャンパス東京&旭川2月 開催報告

3月に入り日差しが少し明るく春を感じるようになってきました。旭川では国道など大きい道路はもう圧雪からアスファルトの路面に変わり、池のような水たまりが出来て長靴大活躍です。
先月25日(土)はキャンパス東京&旭川2月を行いました。
テーマは「支える人/場があることから自分らしく生きるを考える」でした。
講師にはNPO法人マギーズ東京 看護師の岩城典子さんをお迎えし、岩城さんがなぜマギーズと関わるようになったか、その想い。そしてマギーズ東京のこと、来られた方々のことなど多岐に渡りお話頂きました。
そして参加された皆さまと一緒にマギーズ東京のような支える人や場があることについて、個人/社会にとっての意味について話し合いました。
参加された皆さまからは
・つながりを持つことが、困難なひとの気持ちが、自分の経験に重なった。
・「出会い」⇒『繋がり』が大切だと改めて思った。安心、優しい場、環境が本当に大切であること。
・グループトークでは地域格差の問題も提起され支える場所、支える人、環境、考える機会を頂きました。自分自身も支えてくれた人、誰かを支えることができたか振り返ってみようと思います
・紹介していただいたエピソードは、利用者さんの入り口となる悩み(乳房や脱毛)から、本当に考えるべきことやするべきことに向かう変化が大変興味深かったです。きちんと丁寧に解きほぐしていけば、このように変化することもできるんだという驚きがありました。
などたくさんの気づき、学びがありました。
自身ががんなどの疾患に罹った時、治療の不安のこと、そしてこれからの生活での不安が大きくなります。その時、治療のことは医療従事者に相談出来ることが多いと思いますが、生活のことまではなかなか医療従事者には話せないことがあり、誰に聞いたらいいの?相談できるところは何処?などその不安を話せる場を探すことに。でも、治療中であれば体調が悪いこともあり積極的に自身で探すことも難しい場合が多いかと思います。
誰かに話を聞いてもらうことで心が少し軽くなり、自身の現在のこと、これからどうしたい?を考えながら誰かに聞いてもらうことが自身の振り返りや気持ちが整理されてきて自身の気づきになることがあります。
そして地域に話せる場があること、支えてくれる人がいるということを病気などによる困りごとが出来る前から知っておくことはとても大事。いざという時のために今の自分が何が出来るのか?と気付かせてくれた大きな学びを得たキャンパスでした。
次回のキャンパスは3/25(土)19時~21時
「経験、想いを聴くことから自分らしく生きるを考える(仮)」というテーマで行います。
後日詳細が決まりましたら告知開始いたしますのでぜひご参加くださいませ。
12人、テキストの画像のようです
12人、テキストの画像のようです
 

キャンパス札幌&帯広2023年2月 開催報告キャンパス札幌&帯広2023年2月 開催報告


本州では梅の便りも届いていますが、北海道の2月は厳冬期真っ直中です。でも夜明けは早くなり、陽差しも春?と思わせるような時もあります。道内各地で雪のおまつりが開かれていた2月8日(水)にキャンパス札幌&帯広を開催しました。
テーマは「私の中の公共性 ~社会に開く自分の扉~」
教授は札幌で家庭医療専門医をされている大久保彩織さんでした。

アイスブレイクのお題は「あなたがこれだけは譲れない!というものは?」で、決まったグループ名は、
「おひとり様万歳」・・・グループの譲れないものは一人時間。
「相棒亀山に限る」・・・グループは相棒が好きで亀山が好き、お札の向きやワンちゃんのおしっこは隠さないと嫌なメンバーでした。
「ジャスティス」・・・グループの譲れないものは正義感や頑固でした。

大久保さんは留辺蘂町出身で民芸品を作るお父様と、人生が芸術のようなお母様の娘さんです。HCU(高度治療室)に居たころもあり、小さい頃は体も強くはなかったそうで、もっと患者さんに近い医療をと医師を志したそうです。自身の譲れないことは「医療とコミュニティとアート」とのこと。患者じゃない人の方が世の中には多いと考え、自ら地域へ出ることにしたそうです。コミュニティ活動は田舎が多いが都市部には都市部の面白さがある、住んでいるところで何かしたい、自分の居場所を地域に作ってもらおうという思いから、地域での活動を始めたそうです。

まさに「地域に混ざらさる」の行動です。

まずやってみようとコミュニティカフェの一角のスペースで「暮らしの保健室」を開いてみると、たまたま居合わせるという良さがあり、グリーフに関わるようなことや、家族のことなど主治医じゃないから聞けることをおしゃべりしていて、たまたま来た人がちょっとだけ健康の話をする、全く医療じゃない話もする場となっています。
「ゲストハウス」では、インターネットカフェを追い出されたような人なども来るそうで、ゲストハウスの一階に本屋があり、炊き出し、ヘアカット、音楽の催しをされています。ちょっと具合が悪そうな人に声をかけたりもされています。その本屋さんで「雨デモ晴レテモ」という読書会を開催しており、本を読んでいなくても良くて、何にも準備せず本屋に来て、その場で本を選んでそれについて語る未読の読書会です。そこにはお母さんが中学生を連れて来ることもあり、若い子が多く、若干女性が多いそうです。

そして、アートも譲れない大久保さんの「ステレキ写真展」では、おじいさんやおばあさん、可愛い、憎めないものを切り取りたい気持ちで開いています。自分たちの好きなものを出して、地域と交わることで公共性のある場になる、それに共鳴するアーティストと交わる面白さがあるとお話されていました。

扉を開いていることを相手に伝えること。実験していくことが公共性を開くことになること。自分で意識することで自分の公共性の扉に気がついて原動力になると思うとメッセージをくださいました。

参加者さんの感想では、「地域の公共性もあるけれど、まずはそこを好きになる。好きなものを見つけて出ていくことだと思った。」「参加することも自分の公共性を開くことに繋がれる。身近なことに繋がることで、困っている人にアクセスしやすい場になる。」「自分たちのやっていることが公共性として気が付いてなかった。」「田舎の濃密な人間関係は多様性がないことを指摘されて、そこにいると気が付かないということに気が付いた」という意見がありました。
アフターキャンパスでは、アーティストなご家庭育ちだからかセンスの良さを感じる、キャッチ―な感じがすると話がありました。またお洒落、おいしいなど新しく魅力的なものとコミットすると地域に開いた活動は始められるというお話や、田舎の本屋などからでも始められそうという声もでました。
教授の大久保彩織さん、ご参加の皆さん、多くの学びや気づきを下さりありがとうございました!

明日2月25日(土)19時からはキャンパス東京&旭川、テーマは『「支えてくれる人/場があること」から自分らしく生きるを考える』です。講師には 認定NPO法人マギーズ東京 看護師の岩城典子さんをお迎えします♪お申込はコチラから(^^)

社会的処方マッププロジェクト記念講演 西岡大輔先生 開催報告社会的処方マッププロジェクト記念講演 西岡大輔先生 開催報告


令和5年1月21日(土)、CANnet社会的処方マッププロジェクト記念講演として「つながりの力と社会的処方 あなたに出会ったから救われた人がいる」と題して、西岡大輔先生を講師にお迎えし、ご講義いただきました。

開演に先立って、CANnet代表の杉ちゃんから社会的処方マップの必要性を感じたきっかけや2022年度帯広版社会的処方マップの作成中であることなどの報告があり、今後は誰かが誰かをつないでいくことやリンクワーカーをどう増やしていくことができるのかを一緒に考え、よりよい社会づくりに向けて取り組んでいきたいとの説明がありました。

その後の西岡先生の講演では、スグキク(Sugukiku)というアンケートを活用しながら進められ、慢性的な孤立は健康を蝕むと云うことをデーターをもって説明していただき(皆さんは人と話をし、誰かと一緒にご飯を食べていますか?とても大事なことだそうです)、更には地域で社会環境を整えることは、健康も含めて豊かな暮らしに貢献すると云うことなどを教えていただきました。
また、孤立への対応は薬の処方や医療機関だけでは解決できず、さまざまな人々と連携し、生活環境を整えることによって変化していき、その結果、病状が安定していったという事例を基に詳しくお話しもして下さいました。
加えて、「社会的処方」という言葉をきっかけに支援者が学べることとして、“目の前に現れた住民は障壁をがんばって乗り越えられた人”であることや、声なき声の“言葉”を大事にして、あなたとつながった細い糸を大事にしようということ、“自分の守備範囲の外のことに少しだけ手を伸ばそう”という言葉はとても印象的でした。

後半には“誰もがつながりクリエイター!”という言葉から、これまでの講義のまとめのお話がありましたが、その中で「帯広市で共有される課題や困難さについて、支援に関わる人(行政、包括、社協、医療機関、NPO、住民)は何ができるでしょうか?」「どんなことをすればよいでしょうか?」といった投げかけがありました。
このことはこれからも考えていく必要があると感じましたが、『さまざまな場面からドアが開けば、“必要”なつながりは生まれる』という西岡先生の言葉にとても大きな意味があると感じましたし、社会的処方から学べることが沢山あることにも気づくことができました。
参加者の皆さんからは「自分に何が出来るのか、細い糸をしっかり繋げることができる支援者であり続けたいと思いました」「素晴らしく優しい活動だと思います。誰かがリンクワーカーになるのではなく、みんながリンクワーカーになることが望ましい。各自が当事者だという意識を持つことで、広く俯瞰してとらえることができるのかも。曖昧な意識をマップにする取組み、素晴らしいことと思います」「大変わかりやすく、またこれからの地域でのつながりづくりを後押ししていただける内容でした。西岡先生の論文なども拝読したいと思います。CANnetの皆様の活動にも興味を持ちました。とても実りある時間でした。ありがとうございました」等といった感想が寄せられました。

アフタートークでは、参加者から感想やいくつか質問がありましたが、西岡先生からは丁寧に回答していただき、その様子からお人柄にも触れることができたように思います。
詳しくはこちらをご覧下さい。(daisuke-nishioka.com)
西岡先生、帯広市について調べていただきながらの大変貴重なご講演をありがとうございました!また、ご参加いただいた皆さんもありがとうございました。一人ひとりの力をもって変えていける…そんな気持ちになった1時間半でした。
引き続き、CANnetの活動にご理解とご協力をよろしくお願いします!

キャンパス札幌&帯広2023年1月 開催報告キャンパス札幌&帯広2023年1月 開催報告


窓から見える雪景色もすっかり見慣れてきた1月11日(水)、キャンパス札幌&帯広が開催されました。今回のテーマは『神経難病支援から見えてきたものを考える』と題して、教授に日本ALS協会北海道支部帯広支会運営委員の富田勝江さんをお迎えしてお話をうかがいました。
アイスブレイクでの「今年チャレンジしたいこと」からついたグループ名は「キックランド」「ポジティブ」「キラキラ」「かんじき」でした。
富田さんからのキートークでは、今の活動を行うきっかけとして、帯広にある特別養護老人ホーム(ショートスティ)で働いていた頃にALS患者さんと出会い、その時に介護の方法や関わる時の注意点など、自分だったら同じことができるだろうか?といった想いを抱えながらも沢山のことを教えてもらった経験からであり、と同時に今は亡きその人の想いを受け継いで…といったお話がありました。
また、札幌での活動や取り組みに刺激を受けて、帯広でも患者会や24時間対応のヘルパー事業所を立ち上げたり、本人が孤立しないよう家族が抱え込まないようにと自宅訪問を行い、病状の進行具合等に合わせて制度の説明を行ったり、早期に訪問看護員が関われるようにつなぎ、対応していること、加えて、今後の生活がイメージしやすいように当事者同士の交流の機会もつくっていることを教えていただきました。
富田さんは当事者でも家族でもない立場にいる中、何かをしてあげられる訳ではなく、責任も持てないし、本当の所は本人にしかわからないという想いを持ちながらも、聴くことを大切にされていると云うこと、医師に本音を伝えられない方もいるので手紙を書くことを勧めるなどの関わりもされているとのことでした。
今後は活動を続けていくことと、難しいと思っていたオンラインでの交流も全国的にみると実施できていることを知ったため、コロナ渦でもやれることに挑戦していきたいと語っていました。
参加者からは「大変勉強になりました。活動していることがとても素晴らしいです」「たくさんの辛い経験があっての今だと思うのですが、奥深いやさしさにほぐされました。『ちょっと距離をおく』ご自身を守る必要なスキルだと思いました」「ALS当事者の講演を聴かれてから十勝にも患者会を!との想いや実行力が素晴らしいと思いました。また、第三者という立場であるから大変な事もあるが、黙って想いを聞くこと、人を繋ぐことができることがあるというのを伺いアライの役割を考えることができました。介護にたずさわることで『私を育ててくれた気がする』というのが印象的でした」などといった感想が寄せられました。
アフターキャンパス“山わさび・長いも会”では、呼吸器をどうするのか?といった倫理的な部分(意思決定)を支えていくことの難しさや、支援者の気持ちの揺れも上手にコントロールしていくことの大切さを学びました。
教授の富田勝江さん、一人のALS患者さんとの出会いから今日に至るまでの貴重なお話をありがとうございました!また、ご参加の皆さまもありがとうございました。

次回のキャンパス札幌&帯広は2月8日(水)19時半〜@Zoom
テーマ『私の中の公共性 〜社会に開く自分の扉〜』
教授:家庭医療専門医 大久保彩織さん
お申込はコチラからです♪

キャンパス札幌&帯広11月 開催報告キャンパス札幌&帯広11月 開催報告


新型コロナウイルス感染症の第8派が迫り来る中、医療関係者の皆さま大変お疲れ様です!とお話ししながら開催いたしました2022年11月9日水曜日のキャンパス札幌&帯広は、キャンパス恒例の年に1度の動物企画でした。
テーマは、「ペットと共に暮らすには~犬のしつけを通して共存社会を考える~」
わんこの教室しっぽのじかん代表 ドッグトレーナー 荻野準也さんを教授にお迎えしてお話を伺いました。教授が聴講生に質問を投げかけてくださり、参加型のキャンパスでした。

ドッグトレーナーというお仕事について、どうして犬しつけが必要なのか?飼い主の心構えや責任、ペット先進国と後進国でのペットの社会的認識の違いなど多くのことを学びました。
ドックトレーナーは全体数が少ない職業であることで、世間の認知度が高くない現状があるそうです。ペットの問題行動のトラブルシューティングに対応する、初めてペットを迎える飼い主さんがしつけ全般について相談・依頼が来ることもあるそうです。
荻野さんは、家庭犬のトレーニングが主な仕事とのことでした。飼い主さんのわんちゃんのこんなところを良くしたいという要望に沿ってトレーニングしているそうです。
盲導犬、警察犬、介助犬などトレーニングを受けたわんちゃんは多種多様です。お家で飼われているわんちゃんのことを家庭犬ということを知りました。
荻野さんは家庭犬のトレーニングを中心におこなっており、家庭犬のしつけをするプロの方がいることも初めて認識しました。日本のしつけ率は、明らかなデータはないそうですが、1割程度ということです。海外では、7割程度だと思います。ペット先進国といわれる欧米では、リードをつけてさえいれば地下鉄に乗れたり、犬が入っていけない場所はほとんどないそうです。きちんとしつけができるか否かで社会的認識が変わるということです。しつけをしっかりしていることで、わんちゃんに対する社会的認識もに大きく違いがあるそうです。
ペット警察なる方たちが、街中でしつけがされているか、虐待がないかなど取り締まって、飼い主が責任をもって犬と共に暮らすことをすすめている国もあるそうです。

なぜしつけが必要なのでしょう?理由は、ペットの安全のため、周りの人に迷惑をかけないことであり、犬は賢いので飼い主が社会のルールを教え、適切なしつけをすることで共存可能であるということを改めて考えさせられました。周囲の人が不安にならないように、しつけされていることが大切だということです。
犬はある程度の言語を理解できますが、説明やお説教は理解できないことを理解する必要があるそうです。ルールを教え、しつけをすることが重要だそうです。長いお説教は理解できませんが、短い言葉、表情や態度、ジェスチャーで伝えることが大切で、シンプルに教えることが重要とのことでした。荻野さんは、ドックトレーナーとして、わんちゃんの個性と飼い主さんの個性に臨機応変に対応してしつけを行っていきます。
飼い主とわんちゃんの重要な関係性の3つについて
1.親子のような上下関係の構築
2.有効な利害関係・損得感情の維持
3.飼い主との信頼関係構築の3つだそうです。
わんちゃんが大好きな飼い主になること、お互いにハッピーな関係性の構築が大切ということを学びました。わんちゃんも良い飼い主さんにこたえたいという感情を持っているそうです。適切なしつけをするために、プロのドックトレーナーのお力を借りてわんちゃんとの関係性を構築することがお互いの幸せにつながるということでした。
まだまだ、伺いたいことがたくさんありましが、それは、正式にドッグトレーナーをお願いして伺いたいと思います(笑)
キャンパスでは、年に1回ほど「動物との共存について」をテーマにしております。次は猫ちゃんかもしれませんね。お楽しみに(^^)

第9回 医療×美容 Christmas Festa2022☆開催報告第9回 医療×美容 Christmas Festa2022☆開催報告



あと3つ寝るとお正月ですね!今年は街でもクリスマスを楽しむ人たちの姿が多く見えました。イルミネーションも点灯しはじめた12月10日(土)に、9回目となる『医療×美容 Christmas Festa2022』を下記の内容でオンラインにて開催し、全国から30名ほどご参加頂きました。ありがとうございました!
☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆
理 念:病気になってもならなくても自分らしく生きる
テーマ:「re-start 〜新しい生活の準備〜」
♢ はじめに:「外見変化と医療美容の今と課題」ミニセミナー
腫瘍内科医/CAN net代表 杉山絢子さん
♢1部:「がん経験者の声」がん経験者のおしゃれトーク!
治療中もおしゃれに過ごした経験や工夫
◎旭川AYA世代患者サポート「AYAship」代表 松浦美郷さん
◎教員/がんサバイバー 三井里美さん
◎「とかち女性がん患者の集い プレシャス 」代表 鈴木千鶴さん
♢2部:「膠原病や自己免疫疾患経験者の声」臨床化粧療法士®︎と一緒に考えよう!
◎「北海道小児膠原病の会」代表 さくましほこさん
◎臨床化粧療法士®︎/資生堂化粧セラピスト/全身性エリテマトーデス(SLE)経験者
河村しおりさん
♢3部:メイクアップアーティストによるワンポイントレッスン(体験型)
自分らしさ、あなたらしさを取り戻して、街に出よう!
◎メイクアップアーティスト 吉尾和代さん
☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆
はじめに、CAN net代表の杉ちゃんから『医療美容』とは病気などによる外見の変化に対応する美容技術で、「もとに戻りたい気持ち」に寄り添い、「その人らしい生活・人生」を過ごせるようにすることを目的とした活動であることが説明されました。具体的なケースも紹介され、参加者さんも「がんだけでなく、様々な病気による外見変化の問題を医療者側も勉強しなくてはいけない」「自分が病気でなくても『医療美容』を知っていることで周りの人が万が一の時に役立つということをもっと広められたら良い」という声がありました。
1部では3人のご経験を伺いました。
松浦美郷さんからはウィッグ(人工毛・人毛)のそれぞれの長所・短所やウィッグ+前髪・スカーフ・カチューシャなどの使い方、髪型アレンジのバリエーションなどご紹介頂きました。また、入院中「お見舞いに来てくれる友人は私服なのに・・・」と疑問を感じて、パジャマでなく治療に支障のない自分が好きな洋服で過ごされたとのお話もありました。
三井里美さんは自慢の髪を頭部の手術と治療によって失い、その後の再建手術、アートメイク、ウィッグの楽しみ方を動画を交えてご紹介下さいました。ネットで情報が溢れる中、信頼できる医療者、セラピストらと相談しながら、かつ、自分らしくあるためにどういう選択をするかという情報の取り方についてもお話下さいました。ウィッグの活用術もとてもお上手で、多種多様なウィッグの価格や活用方法、洋服とともに楽しめることも教えて下さいました。
鈴木千鶴さんは入浴着の啓発を促すために温泉や銭湯へ直接説明に行かれ、断られることが多く、心ない言葉を言われたこともあったとお話下さいました。公的に認可されている入浴着でも入浴施設側の情報・知識・認識不足から入浴できない方がいらっしゃることも学びました。この日は参加者さんにプレゼントとして、入浴着着用が可能な施設の一覧を頂きました。
2部ではさくましほこさんから膠原病治療に伴う就学世代の悩みや困り事をお伺いしました。素顔が当たり前の世代でUV対策(ムラ無く塗る、キレイに落とす)をしなくてはいけないこと、体育の授業に参加するのが難しいこと、子ども同士の会話の中で傷つくこともあるなど子ども特有のケースを知り得ました。併せて周りのおとなができることは何かということも考えさせられました。
河村しおりさんからは神経難病の症状や治療、治療による副作用などが身体面・精神面にどう関わってくるか実体験をお話下さいました。治療による外見変化(皮膚の炎症、お顔がまあるくなるムーンフェイスなど)は若い世代では精神面にも大きな影響があることを学びました。また、河村さんの臨床化粧療法士®︎の視点からはUV対策の基本的知識を教わり、自分の生活にあったUVクリームの選び方もご紹介下さいました。
3部では2部の内容を受けて吉尾和代さんから「キレイに落とすには」の洗顔についてレクチャーがありました。クリーミーな泡をつくる動画を視聴し、落とし忘れの多い箇所(生え際)も教えて頂きました。そして、この日のために片眉を剃ってご登壇下さり、好評の「脱毛時の眉の描き方」を実践して下さいました。こちらはCAN netのホームページ『医療×美容』でも公開していますのでぜひご覧下さい。

参加者さんからは「経験者が丁寧に語られて、正しい知識の必要性とスキルとして伝わってきました」「辛くても病気に負けないくらいの治療ライフをお話して下さって勇気をもらえた片がたくさんいると思います。子どもだとなかなか伝えられず辛い事も気づいてあげたいと思いました」「当時知りたかったことを今、経験者として情報発信されていることに尊敬の念を覚えました」「がんだけではない外見変化があることを知る良い機会になりました」と、その他にも多くのコメントが寄せられています。
ご参加してくださった方、応援してくださった方そしていまお読みくださっている方にもギフトはありましたでしょうか?

今回のテーマ「re-start 〜新しい生活の準備〜」は社会が少しずつ動き始めているのと、皆さんがそれぞれのさいかい(再開・再会)に向けての一歩になれば良いなと掲げました。医療現場ではまだまだ続くコロナ禍のため、医療美容を対面でお届けするの少し先になりそうですが、こうして情報発信・共有することはこれからも続けてまいります。ご自身が、ご家族が、大切な人が医療美容を必要とすることが訪れた時、いつでも、躊躇なくお声をかけていただけるよう活動を続けます♪
最後に改めてご登壇頂いた皆さま、毎年ポスターを作成してくださった北海道芸術デザイン専門学校の生徒さんと先生、ご寄付を下さった皆さま、その他ご協力いただきました皆さまに感謝申し上げます。
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病気になったとき、治療はとても大事です。
でも、病気になった時の「見た目の変化」は、体にも心にも、生活・仕事にも変化をきたします。気持ちが落ち込む、仕事や学校に行くのが大変、家族や友達に元気のない顔を見せたくない……。そんな時、「元の自分に戻りたい」気持ちに寄り添い、望む「自分らしさ」実現するお手伝いをするのが『医療美容』です。
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☆医美Labo北海道(北海道医療美容研究会)

医療×美容


来年も皆さまとお会い出来るのをスタッフ一同楽しみにしております。どうぞ良きお年をお迎え下さいませ。

【キャンパス東京&旭川11月 開催報告】【キャンパス東京&旭川11月 開催報告】

12月に入りあっという間に半月が経ってしまい、2022年も残りわずか。クリスマス、年越しとイベントが続きますね。今年のうちにやっておきたいこと、やり残したことはないか?あと2週間ですがしっかり振り返りたいと思います。
先月26日(土)は「音楽療法~身近な音/音楽から自分らしく生きるを考える~」というテーマでキャンパス東京&旭川を行いました。
まずはグループトーク1で音楽療法について知っている?どんなイメージ?を皆で話し合った後で、講師の内島みのりさんから音楽療法について、実際に医療の現場でどのように取り入れているのか?介護や教育の場でも行った場面や取り入れてみてどんな効果や良いと思われることがあったかなど様々な視点からのお話を頂きました。
キートークの後には再度グループに分かれて「音楽療法を生活のどんな場面/場所で活かすことが出来る?音楽療法を社会に対してどう活かすことが出来る?」を皆で一緒に考えました。
参加者さまからは
・音楽の力を改めて考える機会になりました。体にも心にも、コミュニケーションなどなどいろいろなところに効果がでるものなのですね
・音楽療法について、レクリエーションのイメージが強かったのですが、脳のどこが動くか、医学にもとづいて、先に患者のニーズを考えて展開する、
・音楽療法について成り立ちや資格など体系的なお話、海外との違い、実践場面の情報と、限られた時間に凝縮されたトークでした。実施内容は認識している内容に近かったですが、フィールドは想像以上に幅広かったです。医療側はエビデンス、音楽側は音楽としてのクオリティを意識する傾向という印象だったので、音楽側の方にも研究の視点を持っていただけると治療の一ジャンルとしての確立が近づきそうだと感じました。リハビリ自体が誰でも好きなだけ受けられるものではないですし、音楽療法が受けられる方はまだまだ少数なので、今後の拡大を期待します
・音楽を用いて心への作用はなんとなくわかっていたが、身体機能にも変化が出るとは驚きでした。音楽療法士はまだ民間資格なので質の差が大きくあること。今回は音楽療法が体や心にどういう影響を与えるか、医療の現場に活かせるかというお話でとても勉強になりました。音楽の力が医療だけでなく、介護、福祉、学校、日常生活に及ぶことは何となく想像出来ましたが実際の活動を拝見し、有効でもっと活用されることを期待します!
などなどたくさんの言葉を頂戴しました。
その人その人で思い出深い曲や好きな曲、聴くと悲しくなってしまう曲などが違います。音楽療法を行う際はまずは参加される方の年代、そしてその時代に流行っていた曲、その中でも悲しい思い出に触れるような曲、例えば戦争体験などには注意して選曲されているそうです。
我々の周りには様々な音や音楽があふれています。小学生の頃に習った曲、青春時代によく聴いていた曲、大人になって嫌なことや疲れた時に聴くと励まされたり癒されたりした曲、また生活していて自然に聞こえてくる動物の声などその時その時の思い出と共に脳に深く刻まれていて、曲や音を聴いただけでそのシーンが思い出されてホッコリしたり、嬉しくなったり。
自分のその時の気持ちによってうまく使い分けられると自身の気持ちの切り替えに役立っています。
また一人ではなく皆で拍子をとったり音を奏でたり歌ったりすることでその人その人の思いでと共に皆で奏でた楽しい時間も過ごせます。
そして音楽療法を受けるときにはその人らしさを考えてくれる療法士さんの下で受けたいと思いました。
音や音楽の力を社会に活かす場所はたくさんあって、誰もが自分らしく生きるのに大事な要素の1つになるのだなと感じました。
 
今月のキャンパス東京&旭川はお休みです。
1/28(土)はキャンネットの活動報告会を行います。
日頃お世話になっている皆さんへ2022年のキャンネットの様々な活動や経理についてお伝えしたいと思います。
キャンネットのこと気になってるけど、参加はまだ・・・という方もこの機会に知って頂いて一緒に活動できると嬉しいです。
ぜひご参加くださいませ。
 
次回のキャンパス東京&旭川は2/25(土)の予定です。テーマ詳細が決まりましたら発信いたしますので楽しみにお待ちください~。
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第9回 医療美容Christmas festa ポスター決定☆感謝第9回 医療美容Christmas festa ポスター決定☆感謝



【第9回 医療美容Christmas festa ポスター決定☆感謝】
医療美容Christmas festa2022のポスター投票にご協力いただきありがとうございました。
短い時間の投票でしたが、今年は途中まで同率1位が3枚もあり、最後までかなりの接戦でした!
今年も33枚全てのポスターに美専の学生さんたちがこの1ヶ月間制限のある中、クリスマスフェスタの意図をくんで、それを形にして下さいました。全部ご紹介できないのが残念です。
今年は5番のポスターとなりました。
この後、文字情報の修正をお願いした後、印刷と公表となります。
医療美容Christmas festaは、病気の時の外見変化にもっと美容の力を使えるように、という思いで行っています。
美容のプロの力もあれば、経験者の工夫など、色々なものがあります。あることが、必要になった人に届くことを願っています。医療美容が誰でも使いたいときに使える地域・社会になることを願い活動しています!
今年もオンラインではありますが、病気の時の外見変化の課題を知って、工夫を知ってもらうために、いろいろな方のご参加をお待ちしています。
12月10日(土)14時~16時、参加費は無料です。{お申込はコチラから。Peatixで参加登録をして頂きます。)
まるごとだっぷり、ちょっとだけ、途中まで、途中から参加もOKです!ぜひ、たくさんの方がご来場いただけますように。
当日参加難しいけど、応援するよ!という方は、ぜひ、内容のシェアや広報のご協力をお願いします。