新年度を迎え入学、進級、クラス替えなど学校では大きな環境の変化のある季節ですね。生徒さんも色んな変化に戸惑う時季かもしれませんね。
さて、去る3月8日(水)にキャンパス札幌&帯広を開催しました。
テーマは「不登校について知ることで子ども達の学ぶを考える」
教授は不登校支援のボランティアをしているさくましほこさんでした。
アイスブレイクのお題は「あなたの理想の先生は?」で盛り上がり、ついたグループ名は「百面相」「アキレス腱」と思い出に残るエピソードが出ていました。
皆さんの不登校児童のイメージはどういうものですか?
不登校とは「年間30日間以上登校できない状態」と定義されていて、文科省調べでは約10万人が該当し、日本財団調べでは遅刻・早退、30日間未満の欠席などしながら、だましだまし登校している不登校傾向にある児童が33万人いるとされています。この不登校児童生徒は今から9年前まではほぼ横ばい、その後右肩上がりに増えています。なぜでしょうか?9年前はゆとり教育が終わった時期に当たり、それも一因と推察できます。
では、教師側から見た不登校になった理由として「無気力、不安、いじめ以外の友人関係に問題、親子間の問題、生活リズムの乱れ(文科省調べ)」が上げられています。一方、不登校児童側からの理由(日本財団調べ)として「勉強が分からない、朝起きられない、疲れる、夜眠れない(ただし、スマホは親に預けている子が多い)」などが上げられ、授業がよく分からないことが強いストレスの一因というのが読み取れます。実際の児童の声は「勉強」に関することのようですね。
キートークの中では教室には通えないけど別室(保健室・図書室)で過ごすことがしにくい学校内環境がある。コロナ禍の影響もあるのか校内で自由に時間を過ごすこと(他教室の生徒との交流)が難しい。図書室・運動場など使用時間が学年・クラス別に時間割化しているところもあるということでした。
児童からの声の中には「不登校になる前に教室以外の休める・相談できる場所があったら行きたかった」という声もあるそうです。そして、全く友達がいないわけでもなく、リアルの友達、ネット上の友達がいて、それぞれのつき合い方もあるそうです。
そして、不登校児童生徒への支援のあり方も「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではないと文科省も明記しています。
学校に行くことで得られる利益、行かないことで受ける不利益とは何か?ということについてのお話もあり、「5教科以外の学問(保険・体育・家庭科など)についても必然的に学ぶ場所や機会が得られること。ネットからの情報(多くは自身の興味のあるもの)だけではなく、興味のない情報(時事問題、1次情報など)にも触れる機会があること。チームで何かを達成する機会があること。」などがあげられました。
学びも多様化している現代では通信制、定時制、全日制の高校もあります。昭和、平成、令和と時代背景が違う私たちも本当に学校に通わなければいけないの?と考える良い機会になりました。「どの道も正解だよ」と伝えられる大人が社会にたくさんいたら良いなぁというお話もでました。
参加者さんからは「安全な居場所作りと安全な大人との関りが必要だなと思いました。自分も安全な大人になりたいなと思いました」「不登校がどんどん増えているということは、欠席には至らなくてもつまずく子供たちも多いのだろう」「家庭内でエネルギーを使い果たす子どもも居ることがわかりました」という意見がありました。
子を持つ親や学校関係者だけではなく、子をとりまく社会の一人として不登校について考えられる良い機会になりました。
教授のさくましほこさん、ご参加の皆さん、多くの学びや気づきを下さりありがとうございました!
4月のキャンパス札幌&帯広はお休みです。5月のお知らせは決まり次第こちらでお知らせ致します♪