窓から見える雪景色もすっかり見慣れてきた1月11日(水)、キャンパス札幌&帯広が開催されました。今回のテーマは『神経難病支援から見えてきたものを考える』と題して、教授に日本ALS協会北海道支部帯広支会運営委員の富田勝江さんをお迎えしてお話をうかがいました。
アイスブレイクでの「今年チャレンジしたいこと」からついたグループ名は「キックランド」「ポジティブ」「キラキラ」「かんじき」でした。
富田さんからのキートークでは、今の活動を行うきっかけとして、帯広にある特別養護老人ホーム(ショートスティ)で働いていた頃にALS患者さんと出会い、その時に介護の方法や関わる時の注意点など、自分だったら同じことができるだろうか?といった想いを抱えながらも沢山のことを教えてもらった経験からであり、と同時に今は亡きその人の想いを受け継いで…といったお話がありました。
また、札幌での活動や取り組みに刺激を受けて、帯広でも患者会や24時間対応のヘルパー事業所を立ち上げたり、本人が孤立しないよう家族が抱え込まないようにと自宅訪問を行い、病状の進行具合等に合わせて制度の説明を行ったり、早期に訪問看護員が関われるようにつなぎ、対応していること、加えて、今後の生活がイメージしやすいように当事者同士の交流の機会もつくっていることを教えていただきました。
富田さんは当事者でも家族でもない立場にいる中、何かをしてあげられる訳ではなく、責任も持てないし、本当の所は本人にしかわからないという想いを持ちながらも、聴くことを大切にされていると云うこと、医師に本音を伝えられない方もいるので手紙を書くことを勧めるなどの関わりもされているとのことでした。
今後は活動を続けていくことと、難しいと思っていたオンラインでの交流も全国的にみると実施できていることを知ったため、コロナ渦でもやれることに挑戦していきたいと語っていました。
参加者からは「大変勉強になりました。活動していることがとても素晴らしいです」「たくさんの辛い経験があっての今だと思うのですが、奥深いやさしさにほぐされました。『ちょっと距離をおく』ご自身を守る必要なスキルだと思いました」「ALS当事者の講演を聴かれてから十勝にも患者会を!との想いや実行力が素晴らしいと思いました。また、第三者という立場であるから大変な事もあるが、黙って想いを聞くこと、人を繋ぐことができることがあるというのを伺いアライの役割を考えることができました。介護にたずさわることで『私を育ててくれた気がする』というのが印象的でした」などといった感想が寄せられました。
アフターキャンパス“山わさび・長いも会”では、呼吸器をどうするのか?といった倫理的な部分(意思決定)を支えていくことの難しさや、支援者の気持ちの揺れも上手にコントロールしていくことの大切さを学びました。
教授の富田勝江さん、一人のALS患者さんとの出会いから今日に至るまでの貴重なお話をありがとうございました!また、ご参加の皆さまもありがとうございました。
次回のキャンパス札幌&帯広は2月8日(水)19時半〜@Zoom
テーマ『私の中の公共性 〜社会に開く自分の扉〜』
教授:家庭医療専門医 大久保彩織さん
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