日: 2023年2月24日

キャンパス札幌&帯広2023年2月 開催報告キャンパス札幌&帯広2023年2月 開催報告


本州では梅の便りも届いていますが、北海道の2月は厳冬期真っ直中です。でも夜明けは早くなり、陽差しも春?と思わせるような時もあります。道内各地で雪のおまつりが開かれていた2月8日(水)にキャンパス札幌&帯広を開催しました。
テーマは「私の中の公共性 ~社会に開く自分の扉~」
教授は札幌で家庭医療専門医をされている大久保彩織さんでした。

アイスブレイクのお題は「あなたがこれだけは譲れない!というものは?」で、決まったグループ名は、
「おひとり様万歳」・・・グループの譲れないものは一人時間。
「相棒亀山に限る」・・・グループは相棒が好きで亀山が好き、お札の向きやワンちゃんのおしっこは隠さないと嫌なメンバーでした。
「ジャスティス」・・・グループの譲れないものは正義感や頑固でした。

大久保さんは留辺蘂町出身で民芸品を作るお父様と、人生が芸術のようなお母様の娘さんです。HCU(高度治療室)に居たころもあり、小さい頃は体も強くはなかったそうで、もっと患者さんに近い医療をと医師を志したそうです。自身の譲れないことは「医療とコミュニティとアート」とのこと。患者じゃない人の方が世の中には多いと考え、自ら地域へ出ることにしたそうです。コミュニティ活動は田舎が多いが都市部には都市部の面白さがある、住んでいるところで何かしたい、自分の居場所を地域に作ってもらおうという思いから、地域での活動を始めたそうです。

まさに「地域に混ざらさる」の行動です。

まずやってみようとコミュニティカフェの一角のスペースで「暮らしの保健室」を開いてみると、たまたま居合わせるという良さがあり、グリーフに関わるようなことや、家族のことなど主治医じゃないから聞けることをおしゃべりしていて、たまたま来た人がちょっとだけ健康の話をする、全く医療じゃない話もする場となっています。
「ゲストハウス」では、インターネットカフェを追い出されたような人なども来るそうで、ゲストハウスの一階に本屋があり、炊き出し、ヘアカット、音楽の催しをされています。ちょっと具合が悪そうな人に声をかけたりもされています。その本屋さんで「雨デモ晴レテモ」という読書会を開催しており、本を読んでいなくても良くて、何にも準備せず本屋に来て、その場で本を選んでそれについて語る未読の読書会です。そこにはお母さんが中学生を連れて来ることもあり、若い子が多く、若干女性が多いそうです。

そして、アートも譲れない大久保さんの「ステレキ写真展」では、おじいさんやおばあさん、可愛い、憎めないものを切り取りたい気持ちで開いています。自分たちの好きなものを出して、地域と交わることで公共性のある場になる、それに共鳴するアーティストと交わる面白さがあるとお話されていました。

扉を開いていることを相手に伝えること。実験していくことが公共性を開くことになること。自分で意識することで自分の公共性の扉に気がついて原動力になると思うとメッセージをくださいました。

参加者さんの感想では、「地域の公共性もあるけれど、まずはそこを好きになる。好きなものを見つけて出ていくことだと思った。」「参加することも自分の公共性を開くことに繋がれる。身近なことに繋がることで、困っている人にアクセスしやすい場になる。」「自分たちのやっていることが公共性として気が付いてなかった。」「田舎の濃密な人間関係は多様性がないことを指摘されて、そこにいると気が付かないということに気が付いた」という意見がありました。
アフターキャンパスでは、アーティストなご家庭育ちだからかセンスの良さを感じる、キャッチ―な感じがすると話がありました。またお洒落、おいしいなど新しく魅力的なものとコミットすると地域に開いた活動は始められるというお話や、田舎の本屋などからでも始められそうという声もでました。
教授の大久保彩織さん、ご参加の皆さん、多くの学びや気づきを下さりありがとうございました!

明日2月25日(土)19時からはキャンパス東京&旭川、テーマは『「支えてくれる人/場があること」から自分らしく生きるを考える』です。講師には 認定NPO法人マギーズ東京 看護師の岩城典子さんをお迎えします♪お申込はコチラから(^^)