獣医師 アーカイブ - CAN netスタッフのブログのブログ記事

今回も札幌メンバーで、キャンパス(CAN path)札幌の学長、獣医師の岡本輝久さんに「ペットのQ&A」という形で皆さんからの質問にお答えいただきました。岡本さん自身の夢も語られています。

それでは、インタビュースタートです。

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Q 1.人間の世界では健康に関する関心が高まってきています。動物の健康のためにも食生活が重要だと思いますが、何か注意点はありますか?

A1 .医食同源と言われるように、動物にとっても食生活は重要です。可愛いのでついつい喜ぶ姿が見たくて、色々与えてしまいがちです。30年前の犬猫の平均寿命は5~7年くらいでしたが、現在は14年くらいです。この違いは、食生活だと言われています。栄養学が取り入れられ、ペットフードが使われるようになり、より理想的な栄養摂取ができるようになったためです。昔は、人間の食事の残り物がペットの食事でした。栄養バランスも悪く、何よりも、塩分過剰でした。そんな食生活のため長生きが出来なかったのです。現在は、バランスのとれた栄養がとれ、動物の嗜好性もよくなっています。ペットフードは日々進化しています。また、持病に合わせた食事、年齢を考えた食事が充実しています。何を選ぶべきか、迷った時はかかりつけの動物病院に相談するのが一番です。与えていいおやつの質と量についても同じです。最近は人と同様に、肥満が問題になっていますので、病気の予防のためにも気を配っていただけたらと思います。
Q2.人に対するがん治療は日々進化すると言われていますし、治療方法の選択や費用負担など考えることは多いと聞きます。どのような治療方法があって、いくらくらいかかるのか、動物のがん治療の現状を教えてください。

A2.動物のがんはほとんど人間と同じくらいたくさんの種類があります。受けられる治療方法もほぼ人間と同じです。放射線療法、重量子線療法、抗がん剤、手術、温熱療法、免疫療法、民間療法などがあり、種類により使う薬剤も異なりますし、治療方針も変わります。飼い主さんにとっては藁にもすがる思いですから、その思いに助けになるように日夜頑張っていますが限界もあります。どんなに効果的な方法でも動物が弱ってしまう、苦しむという治療は良いとは言えないと思います。いかに飼い主さんと普通に暮らせるようになり、しかも効果が出るような治療方法を選択することが肝心になります。現在、がん治療では動物の高度医療センターがいくつも出来ており、最新治療が受けられますが、費用はほぼ人と同じくらいかかります。

 

Q3. ペットを飼っている独身・独居の方もいらっしゃると思います。もしも自分が入院した時、先に亡くなった時に、残された動物はどうしたらいいでしょうか?

A3.飼い主さんが亡くなった時、家族がいれば安心して面倒を見てもらえますが、そうでない場合が問題ですね。とくに、飼ってくれる近親者がいない場合は、亡くなった方の後片付けを担当される方により、貰い手を真剣に探してくれるかどうかで動物の扱いが変わってしまいます。自分の時間が少ないとわかったとき、どうするかを真っ先に考える必要があります。行き先が決まるまでには時間がかかってしまいますので、地元の動物愛護団体に相談するのもいいと思います。自分が入院する場合は、預かってもらえる施設を探す必要があります。最近は各地に長期預かりしてくれる施設が出てきました。利用目的としては飼い主さんの病気に限らず動物自身の介護もあります。要介護になった動物を仕事があるため付き添ってあげられないなどの事情や夜泣きがひどくて睡眠不足になり飼い主さんの体調が悪くなるために預けるケースもあります。現在、公的な施設はなく民間の施設になります。自分で探すのは大変かもしれません。そんな時は動物病院には色々な情報がありますので相談してみてください。

 

私個人も飼い主さんの不安を解消するために施設を作りたいと考えています。事情に合わせ預かる体制や必要であれば次の飼い主さんを探す。看護・介護をしっかりとし、飼い主さんが会いたい時にいつでも会えるような施設。また、預かるだけじゃなく、子犬の繁殖も行い、施設には、介護施設、保育園、幼稚園が併設されていれば、そこの利用者さんにも参加してもらって面倒を見てもらえる、そんな施設を目指して計画しています。

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いかがでしたか?皆さんからの素朴な疑問も募集中です。

次回も、お楽しみに☆

 

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こんにちは。
CAN netブログマネジャーの笹島です。

今回はちょっと雰囲気を変えて、札幌メンバーで獣医師の岡本輝久さんに「ペットのQ&A」という形で皆さんからの質問にお答えいただきました。アニマルドクターならではの視点からも学び、家族に一員でもある動物とよりよく暮らして行けたらと思います。

動物博士(アニマルドクター)がこたえる「ペットのよろず相談窓口」!
それでは、インタビュースタートです。

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Q1.犬や猫にも認知症はありますか?
何歳くらいから、具体的にどのような症状が出てきますか?

A1 .動物の認知症はあります。犬や猫は、7歳くらいから認知症が始まる場合もありますし、13歳くらいになって出てくることもあります。 症状は夜鳴き、徘徊、排尿排便場所を間違ってしまう、昼夜逆転などがあります。 飼い主さんが一番困るのが、夜鳴き。抱っこすれば泣き止むけど、一人にするとすぐに鳴き始めるので夜寝られない。 この場合、昼に寝かせないようにすると言う工夫も必要ですが、睡眠導入剤を使用することも考えます。 ぐるぐる動き回る場合には、鋭角の角が出来無いように6面のサークルを利用したり、段ボール箱を使って、円形にしたりして、動き続けても大丈夫なようにします。 よくあるのは、家具の間に挟まって動けなくなってしまうこと。入れないように塞いでもらうことも重要です。

 

Q2.ペットも人間と同じような病気になると聞きました。メンタルなどもあるのでしょうか?また、最近多い病気は何ですか?がんはどのくらいあるのでしょうか?

A2.人と同じ病気はほとんどあります。 メンタルでは、飼い主さんが居ないと、嘔吐してしまったり、下痢したりする動物もおります。人に頼って生きているのです。 多い病気は、流行している犬種により変わります。ダックスが流行してから十年ちょっと。現在、ダックスの椎間板疾患が多くなっています。最近は柴犬が流行していて、皮膚疾患が多く見られます。 腫瘍は少なくはありません。白血病、皮膚腫瘍、内臓腫瘍、脳腫瘍、乳腺腫瘍などなどほぼ人で見られる腫瘍はほとんどあります。 飼育形態の変化から、色々な病気が、見つかりやすくなっております。以前は外飼いで、なかなか気がついてもらえなかったのが、一緒に生活しているため、発見が早くなっています。

 

Q3.自分が病気になって入院しなければならないとき、または 自分で世話が出来なくなったとき、ペットの預け先や代わりに可愛がってくれる方を探すためには、どこに相談すればいいのでしょうか?ネット情報だけでは不安があるし、友人には頼めないことが多いです。

A3.短期間の預かりであれば、ペットショップのホテルが利用できます。 老犬で、自宅での介護が難しい場合、預かりと介護をしている施設も出てきました。 貰い手探しは、急がないのであれば、新聞の貰い手探しの爛に掲載してもらうのがいいです。つぎは、動物愛護団体に問い合わせを。市の動物管理センターの場合はもらい手探しではなく処分されてしまう可能性があるのでお勧めできません。

 

Q4.今まで診療してきた中で、一番大変だった動物は何ですか?

A4.種類というより、その動物の性格で、大変なことは時々あります。 家族以外が苦手な動物、普段外に出ないので、病院に連れてこられてパニックになる動物も居ります。日本犬は神経質でなかなか心を許してくれなかったり。鳥では、院内で飛んで逃げ回られたり、苦労はあります。  大人しい動物は、採血するときも暴れず、やらせてもらえます。

 

Q5.これからの夏場に向けて動物の熱中症対策を教えてください。

A5.室温がどこまで上がるのかが重要です。防犯上窓を開けておくことも出来無いですし。クーラーをペットのために購入された飼い主さんもおります。 脱水を起こさないように、何時でも新鮮な水が飲めるように工夫して戴きます。 アルミの板で、体温を下げるグッズも利用できます。 なるべく涼しい部屋に移動してあげるのが良いです。

 

Q6.動物独特の診療のむずかしさを教えてください。

A6.どこが痛くて、何が苦しいのかを訴えてくれないのが難しいところです。 飼い主さんの観察が頼りです。CTスキャン、血液検査、レントゲン、エコーなどなどありますが、どれを選ぶのかについてもある程度どこが悪いのかを予想して検査や診療を行います。 治療経過を見ながら、診断をしていくことも少なくありません。

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お答えを聞いて、なるほど!そうなんだ!と、思わずにはいられませんでした。
客観的にお話を聞くと言うのはとても重要なことですね。
皆さんの中にも質問したいことがあれば、ぜひお寄せください。

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こんにちは。

札幌メンバーで獣医師の岡本です。
今回は、獣医師として人と動物のかかわりについて書いてみたいと思います。

動物病院での診察の中で、動物の精神的な問題もあります。
動物も同じ家族であっても、一番大好きな人から、嫌いじゃないけど近寄りたくない人と区別があります。そんな中、一番大好きな飼い主さんが温泉旅行に行ってしまった等会えない時間が起きた場合、強いストレスになります。元気・食欲がない、下痢をする、中には下血をする動物の診察をしたことがあります。

治療になかなか反応しなかった症例が、大好きな飼い主さんが帰って来ただけで改善し始めたりもします。今のご時世では、忠犬ハチ公のように駅まで迎えに行くというのは、環境的にありえませんが、まるでハチ公を見るようで「人と動物の絆」の強さを感じます。
動物は話してくれないので、色々推測し、それに合わせて検査を進めます。飼い主さんに思い当たることを聞いて診察にあたりますが、家族が旅行に行っていることまでは言ってくれません。話を聞いていくうちに、好きな人が大学生になり家から出て行ったことや嫁いだことが原因になっていることが判明する場合もあります。動物といえども、彼らはいろいろ感じているのです。

赤ちゃんが生まれた時には、動物は後回しになります。その場合も、大好きな飼い主さんが振り向いてくれずストレスになります。この時は、そのままではよくありません。赤ちゃんがいるから自分は相手にされない。「赤ちゃんイコール悪いもの」になってしまいます。これを避けるために、そばに赤ちゃんがいる時は動物に先に声をかけ、撫でてあげていつも以上にオーバーに接することで「赤ちゃんイコールいいことが起こる」という風に変わります。難しければ、近寄らせないことも必要ですが、動物がそばで見ている場合は注意が大切です。

人の高齢化が進んでいる今、ペットが子ども代わりだったり、お友達になっています。昔と比べて、ペットと飼い主さんの結びつきが強いものになっているように感じます。そのような大切なペットが、不幸にして事故や病気で亡くなることもあります。また、事故や病気でなくても、私も20年もこの仕事をしていますと、子どもの時から診ていた動物が老衰で亡くなっていくのもみるようになりました。そのような時に、飼い主さんがとても落ち込み気分が滅入ってしまうことがあります。「ペットロス」と言われますが、血のつながった人間の家族を亡くした時と同じようにグリーフケアが必要とされると感じています。CAN-netの勉強会で得られるグリーフケアなどの情報も自分にとって役に立っています。

*グリーフケアとは
大切な人を亡くし、大きな悲嘆(グリーフ)に経験している人に対するサポートのこと。

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