ヨガインストラクターのyae(清水 八恵)と申します。
YOGA for Cancer~がんの方のためのヨガ~という活動を2011年10月~スタートし、3年半経ちました。
その活動を振り返りながら、今後に向かって、より良いクラスを提供していきたいです。
きっかけは、2011年9月に、札幌医大のリンパ浮腫セミナーでヨガをさせていただき、「毎週ヨガをしていきたい!」というお声を数人からいただき、すぐにサークルが発足しました。
主に、乳がんや婦人科系がんのご経験者の方10名前後でスタートし、3年半経過した今も、半数以上継続していただいていますが、途中、新しい仲間が増えたり、大変残念なことに2名の方をお見送りもいたしました。また、その間、再発・転移などで、現在治療に専念されている方もいらっしゃいます。
月に一度茶話会をしたり、お食事会、ビアガーデン、青空ヨガ、みんなで温泉など、課外活動も楽しんでいます。
乳がんの手術後、人の目が気になり、なかなか温泉に行けなくなっていた方も「みんなと一緒なら大丈夫!」と温泉ヨガ合宿を企画し、3年ぶりにお湯につかった瞬間の「あ~あずましい!!!」(落ち着く、心地よいという意味)という言葉を聞いたとき、私自身も胸がいっぱいになって、本当にこの活動をさせていただいて良かったな、と、わたしの方があずましさでいっぱいになりました。
このサークルを進める中で課題も出てきて、比較的元気なサバイバーの方と治療中の方とでは、ヨガに求めるものや運動量が違うな、と感じ、クラス分けをしてくて、一年前、2014年3月に「治療中の方」限定のクラスを設けました。
少人数制にし、リストラティブヨガ(ヨガの道具を多用し、委ねることで心身を解放するヨガ)やこんにゃく湿布で体をあたためながらリラックスしていただいています。
一年経過し、治療中の方は、なかなかヨガ教室に通うという精神的・肉体的・時間的ゆとりを持つのが困難かと感じています。こちらに関しては、病院で行うのが、一番負担がかからず、ご家族も安心かもしれません。
これまで、病院でのヨガは、札幌に限らず留萌や富良野など、多くの病院からお声をかけていただきました。病院の行事として単発的なことがほとんどですが、その中で、昨年より札幌医大のがん相談サロンで入院患者様、通院患者様対象に、毎月定期的にヨガ+茶話会をさせていただいています。
入院患者さんが、そのままの格好で気楽にご参加でき、体が動かせることへの喜びや自信にもつながり大変良いクラスと感じています。何より、茶話会で自分の心の声を聞いてもらったり、聞かせてもらったり・・・大変な状況でも前向きな方もいらして、毎回わたしの方が励まされ、学びとなっています。
今後は、病院でのヨガがもっと広まることを期待しています。
また、昨年スタートした民間のがんサポートセンターでのヨガも、病院同様、ヨガで自己の心身と向き合い、茶話会で仲間と分かち合うという大変あたたかくて優しい時間と空気感で満たされています。
私だけの力ではなく、この施設を運営してくださっているみなさん、特にぴあサポーターの方の存在は偉大です。私自身もがん経験者ですが、ぴあサポーターという同じ病気の経験者であることで、みなさん安心して信頼してその場に居てくれます。
「自分の居場所がある」と感じたとき、人って、幸せな気持ちで満たされますよね。
このように、YOGA for Cancer~がんの方のためのヨガ~は、一般的なヨガクラスよりもさらに、ヨガはいろいろなコト・モノをつなぐためのツールであることを認識させてくれます。
ヨガを通して、自身の体と向き合う。心の動きを観察する。病気のこと、人間関係、心の不安、その思考から遠ざかる時間を作る。
今の自分の状態を把握する。
そうやって客観的に自分を観察するツールです。
そして、一番大事なのは、
「ひとりじゃないよ!みんないるよ!」と分かち合えること。
検査結果を待つ間の不安をみんなにシェアすることで、少しでも楽になったり・・・
手術が終わると家族や周りの人たちには、「もう元気なんだよね」、って思われる。でも、リンパ浮腫だったり、抗がん剤の副作用だったり、心の傷だったり、なかなか自分のベストコンディションに戻るまでには時間もかかるし気合も必要なんです。
そんな小さな愚痴ひとつも、家族には言えなくても、ここでは心を置きなく言い合えます。
この活動をより良くするため、わたしはヨガを学び続けたいです。
私自身の心と体がすこやかであること、軸が安定していることがベースだと思いますので。
ただ、時間的にも知識的にも限界があります。
茶話会も行っているし、通常のヨガクラスより、個々と深くお付き合いさせていただいているので、その方の人生に関わる場合もあります。
ヨガ以外の悩み事を抱えている場合、CAN netには多種にわたるプロフェッショナルがいらっしゃるので、ぜひ、今後共、みなさまのお力や智慧をお借りしたいと思っています。
最後に、「この活動をもっともっと広めたい!」と思う一方で、
時間に追われ、「今、ここ」に心が無くなってしまうときがあります。
本末転倒ですよね。
今、わたしの目の前に居てくれる方、生徒さん、仲間を大事にできているか、ここに想いはあるか、愛はあるか、常に自分に問いながら活動していきたいな・・・
今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。
YOGA for Cancer~がんの方のためのヨガ~主宰 yae(清水 八恵)
レッスン風景など写真
